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服薬ケアと患者応対


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◎服薬ケア

定義
服薬ケアとは、患者さんに使用される医薬品の管理、及び、
服薬に関わる事柄、認識、意志、人間関係など、服薬を中心
とした治療全般とその反応に対するケアである。

◎解説

1.患者さんに使用される医薬品の管理
薬という物をどう管理するかについて。薬局内は当然、患者さんの手にわたってからもケアの対象範囲。

2.服薬に関する事柄
1の対象が薬という物であるのに対して、薬を飲む(使う)ということに対しての事柄。1日3回飲むとか、食後に飲むとか、通常「服薬指導」している事をイメージすれば良い。

3.認識
おもに薬識。病識も当然関わってくる。医師や医療機関に対する意識や、薬局というものに対する認識もここに入る。

4.意志
3の認識の元で、患者さんがどうしたいか。QOLの目的地、また、そこへどうやって行きたいかも含む。意志決定の要因としては、患者さんの心理的状態が深く関わってくる。

5.人間関係
薬を飲むことによって、社会的、また、家族内での人間関係に変調が起きる。それにどう対処するかがケアの対象。

6.服薬を中心とした治療全般
1〜5を含む、服薬を中心とした治療に伴うすべての事柄。治療のための生活改善も含む。

7.その反応
6を行うにあたって、患者さんという人間がその事実にどう反応する。身体的、心理的などすべての反応がケアの対象。

*服薬ケアにおけるケアとは、情報を提供し、物の管理や感情の整理を助け、患者さんの自己決定による行動変容により、薬物治療やそれに伴う生活改善が成功するように支援することである。

◎患者応対

従来は主に薬局薬剤師の服薬ケアを念頭において「窓口対応」として定義していた。しかし服薬ケアの普及に伴い、病院薬剤師も含めてより広い意味で「患者さんとのやり取り」と捉える事にした。

定義
患者応対とは、薬局窓口など必要な場所において、薬剤交付、患者インタビュー、
情報提供、服薬ガイダンス、服薬コンサルテーション、服薬カウンセリングなど、
服薬ケアが成功するために必要なやり取りをすること。

◎解説

1.薬局窓口など必要な場所において
薬局薬剤師にとっては薬局窓口、病院薬剤師にとっては病棟業務におけるベッドサイドなど、患者さんとのやり取りは全てが服薬ケア実践の場である。

2.薬剤交付
これまでの「投薬」が「服薬指導」を含む意味で使われているとすると、この場合は、純粋にお薬をお渡しする事のみを指す。

3.患者インタビュー
服薬ケアに必要な患者情報をインタビューすること。問診表の記入もこれにあたる。

4.情報提供
薬という物に紐付きでついてくる情報を提供すること。情報提供文をイメージすれば良い。薬の能書的な、それを飲む(使用する)患者さんの状態に左右されない、その薬に固有の情報。

5.服薬ガイダンス
薬物や服薬に対して必要な情報を提供すること。患者さんの条件に沿った情報が必要。4は5に含まれる。

6.服薬コンサルテーション
薬物や服薬に伴う患者さんの不安や疑問に答えるために、患者さんの相談にのり、必要な情報と的確な回答や、自己決定するためのヒントを提供すること。

7.服薬カウンセリング
患者さんが自己決定により、QOLの向上のための行動変容を起こすことが出来るように支援すること。

*これまでの「服薬指導」は、広くとっても2〜6、通常は2〜5の範囲を意味することが多く、また、主体が患者さんではなくて、医療者側だった感がある。特に5,6,7は、主体が患者さんであることを旨とする。

 


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